こんにちは、KOKIです。
『TOEICは公式問題集を買った方がいいって聞くけど、どうやって使えばいいの?』
そんな方向けの記事です。
僕はTOEIC600くらいから、半年で965を取った経験があります。
そのときにメインで使い込んだのが、公式問題集をはじめとした模試形式の問題集でした。
ぶっちゃけ、基礎さえできていれば、あとは公式問題集を徹底的にやり込めば、800くらいならすぐにいきますよ。( ^∀^)
ちなみに、この記事で使っている「公式問題集」というワードは、そのまま「模試」に置き換えてもほぼ同じです。今は公式じゃなくても質の高い模試がたくさんありますので。
そんなわけで、僕なりの公式問題集の使い方や勉強法をシェアしたいと思います。
TOEIC公式問題集を使う目的は2つある
- TOEICに特化した「英語力」のUP
- 自分に最適なTOEICの「解き方」を確立すること
公式問題集を使う目的は、上記のとおり。詳しく説明します。
1.TOEICに特化した「英語力」のUP
TOEICは試験なので、出題範囲があります。つまり、出てくる単語や表現、話の内容はある程度決まっているわけです。
で、公式問題集はテストを開発しているETSが本番と同じようなプロセスで作ってますから、当然、内容も本番に限りなく近い。
2.自分に最適な「解き方」を確立する
TOEICは「試験」なので、形式が決まってます。
なので、それに合わせて「解き方」を工夫することで、短期間でスコアアップができます。
この「解き方」の戦略を立てることが、公式問題集を使う2つ目の目的です。
公式問題集を繰り返し解く過程で、たとえば、
- リスニングの解き方や先読みのタイミング
- リーディングの問題を解く順番や時間配分
など、どうやって解いたら一番点数が取りやすいのか、「自分にベストな解き方」を確立していくことができます。
TOEIC公式問題集の使い方:普段の学習編
ここから、公式問題集の具体的な使い方を
- 英語力UPを目的にした「普段の学習編」
- 試験慣れを目的にした「本番直前編」
にわけて解説していきます。
まずは「普段の学習編」から。以下の3ステップです。
- 本番と同じように解く
- 復習する
- 練習する
本番1~2週間くらい前までに、このステップで公式問題集を完成させてください。
目標スコアにもよりますが、できれば数冊分使ってローテーションするのがオススメ。
では、各ステップについて詳しく説明していきますね。
ステップ1.本番と同じように解く
具体的には、下記のとおりで解いてください。
- 2時間休憩なし
- マークシートを使う
- リスニング音声はスピーカーで再生
目的は、自分の「英語力以外の弱点」を見つけること。
あとで詳しく説明しますが、たとえば、『リスニングで解答をマークするタイミングがわからず、問題を聞き逃してしまう』などです。
こういう弱点って、普通に問題を解いてるだけじゃ気づきにくいんですよね。
時間内に解き終わらなかった問題があれば、最後にまとめて解きましょう。
ステップ2.復習する
具体的には、下記の3つをやります。
- 間違えた問題の分析
- 知らない単語や表現のリスト化
- 理解できない英語をなくす(精読)
順に説明します。
間違えた問題は、どうして間違えたのか、原因を分析してください。
このときに大切なのは、直接的な英語力以外の部分で間違えた問題の原因を、しっかり考えること。
たとえば、
- リスニングの先読みがうまくできなかった
- 音声を聞きながら選択肢を選んでいたら、重要な部分を聞き逃した
- 問題文を読み間違えて、間違えた
- 解答の根拠が見つけられなかった
- 集中力がもたず、英語が頭に入ってこなかった
などですね。
こういった「英語力以外の弱点」は普段の学習で気づきにくいので、意識して対策を考えないと中々克服できません。そして克服できないと、スコアも上がりづらくなります。
なので、
- 先読みができなかった
→先読みは問題文だけにしよう - 重要な部分を聞き逃した
→音声を聞きながら解くのはやめよう - 問題文を読み間違えた
→問題は2回読もう - 解答の根拠が見つけられなかった
→細かい部分も丁寧に読むようにしよう - 集中力がもたなかった
→目を閉じて休憩するタイミングを作ってみよう
みたいな感じで、原因への対策を自分なりに考えてみてください。で、ここで立てた戦略を次に新しい問題集を解くときに活かすようにしてください。
これを繰り返していくと、自分なりの「ベストな解き方」がわかってくるはずです。
「リスト化」とは、あとで覚えやすいように単語をまとめることです。
リスニングとリーディングを目的に単語を覚えるなら、一番効果的な方法が「英語を見て日本語を思い出す」を繰り返すこと。
そして、この方法を一番効率的にできるのが「リスト化」なんですよね。
「リスト化の方法」は、下記のとおり。
- 100均とかで売ってる単語カードを買って作る
- 暗記系アプリを使う
特にこだわりがなければ、アプリがオススメです。どこでもできるし、音声もすぐに確認できるので。
僕は無料アプリの「クイズレット」を使いました。
Quizlet:単語カードで学びましょう
無料posted withアプリーチ
作り方はシンプルでOK。知らなかった英語とその日本語訳をセットでまとめるだけです。例文とかは不要です。
問題集中のすべての英語を理解できるようにしてください。「精読」ですね。
精読のやり方は下記のとおり。
- 自力で英文を読んでみる
- 理解に自信がない英文は日本語訳を確認
- 納得できればOK(次の英文へ)
シンプルでOKです。
このとき、品詞分解とか文型チェックなどは必要ありません。それだと、英語を「解読」する変な癖がつき、スムーズに英文を読めなくなるので、、、。
僕自身、TOEICレベルの英語は日本語と変わらずに読めますが、「品詞」や「文型」は今まで一度も考えたことありません。
それよりも大切なのは、日本語訳を見て納得できるかどうか、ということ。
日本語を見て納得できるなら、その英文がどうしてその訳になるのかわかる=文法や単語を理解できていることになるからです。
逆に、そもそも英文が読めなかったり、日本語訳を見ても納得できない場合、文構造をイマイチつかめてない可能性があります。そのときは、わからない文法を調べて、覚えてください。
このステップについては、別の記事で詳しく解説しようと思います。
ステップ3.練習する
このステップが一番重要です。復習が終わったら、「練習」してください。
復習では、英語の「知識」を覚えただけです。英語力を上げるには、知識を無意識に使えるようにするための「練習」が必須です。
このステップをおろそかにすると、実質的な英語力は上がらないので、注意してください。
具体的には、
- リスニングパート→シャドーイング
- リーディングパート→通読
です。
リスニングパートは、全パートで「すべての単語が聞き取れる&意味も理解できる状態」にします。
そのために効果的なのが「シャドーイング」。
シャドーイングとは、音声を聞きながら、それにちょっと遅れつつ、自分もマネして発音するトレーニングです。
ただ、やってみるとわかるんですが、シャドーイングは難しいです。
なので、どうしてもキツイ場合は、頭の中でシャドーイングできるようにしてみてください。
実際に発音はせず、頭の中ですべての単語を追える&内容を理解できる状態にするということです。これだけでも効果あります。
シャドーイングの詳しいやり方は、下の記事を参考にどうぞ。
「通読」とは、
スピードを意識して
すべての英語を理解しながら
解答のプロセスも再現しつつ
全問解く
こと。
復習の段階で、すべての英語を理解できる状態にしてあるはずです。あとはこのステップで、英語を読むスピード、問題を解くスピードを上げていきます。
僕ははじめて公式問題集を解いたとき20問くらい塗り絵しました。
が、通読をはじめてから3ヶ月くらいたった本番では、10分余りました。
僕の場合は1日で試験1回分のリーディングパートを通読してましたが、今考えるとハードかもです。なので、キツければパートごとでもOK。
もし途中で意味を忘れてしまった単語や理解が曖昧な英文があれば、もう一度前のステップのように精読してください。
TOEIC公式問題集の使い方:試験直前編
本番の1~2週間前になったら、「テスト慣れ」を目的にして公式問題集を使い始めます。ちょっとキツイですが、毎日テスト1回分解くのが理想ですね。
使うのは、すでに前のステップまでの勉強をこなした「復習済みの公式問題集」です。
で、このステップで特に身につけておきたいのが
- リスニングパートの解き方
- リーディングの時間配分
- 2時間ぶっ続けで問題を解くための集中力(余裕があれば)
の3つ。詳しく説明します。
リスニングパートの解き方を体で覚える
普段の学習で、リスニングパートのベストな解き方(先読みや解答タイミングなど)を模索してきたと思います。これを体で覚えてしまいましょう。
たとえば
- パート1の「Direction」が流れてる間にパート3と4の図表問題を先読みする
- 各問題は設問のみ先読みする
- 本文を聞き終わってから一気にマークする
といった戦略を立てていたとしたら、それ本番でも再現できるように練習してください。
こうして解き方を体に染み込ませておくことで、本番で解き方に迷うことなく問題のみに集中することができます。
「リーディングの時間配分」を体で覚える
リーディングの各パートごとに目標解答時間を設定して、全パート通して時間内に解き切る練習をしてください。
目標解答時間の目安は目指すスコアによって変わりますが、最後まで解き切るためには
- パート5:8~10分
- パート6:8~10分
- パート7:55分以上
くらいの時間配分が理想ですね。
もし普段から「通読」で全問解く練習をしていた場合は、このステップでも同じことをやるだけです。
2時間問題を解くための集中力を鍛える
上記の2つを意識しつつ、できれば2時間ぶっ通しで問題を解く練習をしてください。
2時間休憩なしのテストはけっこうツライです。本番で最大限の力を発揮するためにも、できるだけ慣れておくのがオススメ。
ただ、まとまった2時間を確保することが難しい場合は、リスニング、リーディングパートごとでもOKです。
僕は社会人なので、平日はパートごと、休日は通しでやってました。
TOEICは”ほぼ”公式問題集だけでスコアUP可能です
結論から言いますと、TOEICは”ほぼ”公式問題集だけでスコアアップできます。
なぜなら、最初に説明した通り、
僕自身、半年で965を取りましたが、使った教材の90%は「公式問題集&模試だけ」です。
本番形式じゃない問題集は、一部を除いて(このあと説明します)まったく使ってません。
ただし、基礎が身についていることが前提
ただし、公式問題集だけでスコアアップするためには、すでに最低限の基礎が身についてることが前提です。
どんなに低くても500、できれば600以上のスコアがあること
これ以下だと、公式問題集だけ使うのはもちろん、そもそもTOEIC対策をすることすら早すぎかと。
なぜなら
- TOEICの英語は基礎レベルより難しい
- TOEICの英語は独特で、偏っている
からです。
独特な単語も多いし、基本的にはビジネス英語よりの試験なので、使われている英語に偏りがあるんですよね。
そういう偏ったTOEIC英語の中で基礎を身につけようとすると、確実に知識の取りこぼしが起きますし、効率もよくありません。
なので、公式問題集などを使ってTOEIC対策を始めるのは、すくなくとも大卒程度の英語力を身につけてからがオススメです。
テスト何回分くらいやればいいか?【公式問題集1冊じゃ足りない】
公式問題集だけでも十分スコアアップできますが、1冊(=テスト2回分)じゃちょっと足りないです。もちろん、目指すスコアにもよりますけどね。
たとえば今のスコアが600くらいだとしたら、
- 800超え:テスト4~6回分(公式問題集なら2、3冊)
- 900超え:テスト15回分以上(公式問題集数冊+模試数回)
くらいは必要かなと思います。ちなみに僕が965をとったときは、20回分以上やってます。(笑)
【900超えを目指す方へ】テスト20回分は全然無理じゃないですよ
900超えを目指している方は、今の話を聞いて「え、そんなにやらなきゃいけないの?!無理やんけ!」と思うかもしれません。ですが、
大丈夫です、できます。
なぜなら、正しいやり方で模試をこなせばこなすほど、
- 本質的な英語力がどんどん上がる
- TOEICの試験形式にも慣れまくる
ので、復習にかかる時間が激減していくからです。
僕の場合だと、一番はじめに解いた模試と10回分以上やり込んだあとに解く模試では、復習時間は5倍くらい短くなってました。
公式問題集とは別に「単語帳」と「パート5の問題集」はあった方がいい
ただ、公式問題集や模試とは別に、
- TOEICに特化した単語帳
- パート5に特化した問題集
は用意しておいた方がいいですね。
公式問題集を使い始める前に、単語帳を1冊終わらせておこう
まず、単語帳は必須。公式問題集を使い始める前に、1冊終わらせておきましょう。
なぜなら、単語帳を使えばTOEIC頻出単語をまとめて覚えられるので、圧倒的に効率がいいからです。
逆に、単語帳なしで公式問題集に挑むと、
- そもそも知らない単語が多くてまともに問題を解けない
- 復習のときに大量の単語をチェックしないといけない
ので、かなり効率が悪くなってしまいます。(^^;
なのでTOEICの勉強をはじめたら、まずは単語帳で頻出単語を覚えちゃってください。オススメは、「金フレ」です。
TOEIC900を目指している方向けの単語学習に関しては、こちらも合わせてどうぞ。
【経験談】TOEIC900に必要な単語力とは【単語帳は1冊でOK】
パート5は公式問題集だけじゃ足りないかも
そして、できればパート5に特化した問題集もあった方がいいですね。
なぜなら、パート5は
- 文法や語彙の「知識」で解くパート
- 頭で考えなくてもわかるくらいの「解答スピード」が求められるパート
なので、大量の問題を解くことが一番効果的な対策になるからです。
その点を考えると、公式問題集だけじゃ問題数が足りません。
問題数が少ないと「知識の取りこぼし」が起きたり、問題パターンに慣れることができない=「解答スピードが上がらない」んですよね。
なので、パート5に関しては別に問題集を買って対策するのがオススメ。
実際に僕自身、パート5は95%以上の正答率&8分ほどの解答スピードで解けるようになりましたが、「大量の問題を解くこと」が一番効果ありました。
オススメのパート5問題集は「でる1000」です。
公式問題集を制す者はTOEICを制す【まとめ】
最後に、TOEIC公式問題集の使い方をまとめておきます。
- まずは本番形式で解いて弱点を明確に。そこから自分に合った解き方を考える。
- 復習では単語や表現をリスト化しつつ、わからない英語をすべてなくす。
- 復習後はシャドーイングと通読で、繰り返し練習する。
- 本番前はテスト形式で解きまくり、試験慣れしておく。
- 目標スコアに応じて、数冊の公式問題集(模試)をローテーションする。
決して楽な方法ではないですが、こんな感じでしっかりとかつ無駄なく公式問題集をやり込めば、短期間で800、900超えのハイスコアを取ることも十分できますよ。
短期間でTOEIC900を取るための勉強法については、こちらの記事もどうぞ。
もしまだ公式問題集を持ってない方は、とりあえず最新の「公式問題集9」を買っておきましょう。
そんな感じで、今回の記事は終わりです。
TOEICの勉強、頑張ってください!
TOEIC800、最終的には900を目指す社会人です(現在760)
非常に分かりやすく参考になります。ありがとうございます。
私も基本的に模試は公式問題集のみ(+でる1000,金フレ)のスタイルだったので安心しました。
質問なのですが、15冊以上する場合に、復習時間は短くなっていくかもしれないのですが、練習は短くなるのでしょうか。シャドーイングと通読を模試一つ分もするとなると、分量が多く、1週間で終わり切らない気がするのですが。参考までにシャドーイングと通読の一日あたりの分量を教えていただけないでしょうか(半年で900目指す前提で)。
ちょんまるさん、コメントをありがとうございます(^^)
結論からお伝えすると、復習、練習共に時間は短くなりますよ!
例えばパート3,4のシャドーイングであれば、後半の方は1回聞いただけですでに9割程度できるようになります。リスニングの段階で聞き取れない英語はほぼ無くなっていて、かつ、いきなりシャドーイングしても9割くらいできる、ということです。
通読も、後半の方はすでにリーディングスピードは完成した状態になります。なので、あとは解けなかった問題の原因分析&知らない単語や表現さえ調べれば、50~55分程度でRパート全体を解けるようになります。
僕の場合、5ヶ月目くらいのスケジュールだと、毎日パート3,4を模試2回分シャドーイング、Rパート模試1回分通読してました(復習済みの模試です)。
あと、シャドーイングの完成度とか細かい部分は雑にやってたので、そういった意味でも時間がかからなかったです(^^;)笑
わかりづらかったらごめんなさい!
また何かありましたら、気軽にコメントしてください(^^)
KOKIさん、ご回答いただきありがとうございます!
なるほど、理解しました!早くその境地になれるよう頑張ります。
通読について質問なのですが、一つの模試に対して通読を終える基準ってありますでしょうか。例えば、時間内に余裕もって解き終えることができる+全問正解(繰り返すと当然かも知れないですが)等でしょうか。
また、通読に使用するのは、復習で調べた文法や単語等のメモがない本番同様の問題文で練習すると思って良いでしょうか。
細かいこと申し訳ありませんが、お願いします^^;
今は想像できないかもしれませんが、続けてると初めて解いた模試でもRパートの時間が余るようになるので、頑張ってください!
通読を終える基準に関して、僕は特別ハッキリとは設定していませんでした。
ただ感覚で言うと、ちょまるまんさんのおっしゃるとおり
・すべての英語が理解できる
・本番と同じ解き方で、正答するまでの流れを完全再現できる(設問を読む→本文を読む→解答の根拠を見つける→正答する)
・これらを達成しつつ、55分程度で解き終える
くらいまではやり込んでいました。
そして、本文にはメモなしです!
余談ですが、リスニングのシャドーイングもリーディングの通読も、繰り返してると英文の先を”無意識に予測できる”ようなります(文脈や文構造から)。
この感覚がいわゆる”英語を英語のまま理解する感覚”でして、この状態になるまで練習すると、効果は間違いないので、コツコツ頑張ってください!
やっててキツくなることもあるかもですが、必ず、上達しますよ!
また何かありましたら、自分で良ければいつでも聞いてください(^^)応援してます。