英語はリズムと強弱が大切って聞いたことあるけど、英語のリズムと強弱って具体的にどんな感じなの?というか、リズムと強弱を知ってるとどんないいことがあるの?
こんにちは、KOKIです。今回は上記の疑問に丁寧にお答えします。
- 英語の強弱のリズムってどんなの?
- 英語と日本語のリズムの違い
- 英語の強弱のリズムを知らないとどうなる?【2つの問題】
- 英語のリズムと強弱の3原則
- リズムを身につけるための練習法
いきなりですが、英語のリズムと強弱、めちゃくちゃ大切ですよ。
僕自身、その重要性に気づいたのはTOEIC965を取った後のことで、ある程度英語ができるようになってからでした。
ですが当時は、
「ある程度スムーズに発音できるようなったけど、なんか英語っぽくない…」
「TOEIC程度のリスニングには苦労しないけど、podcastやyoutubeとか聞くと聞き取りがキツい…」
みたいにモヤモヤしてる部分があったんですよね…。
そんな中、シャドーイングを続けていると、リズムと強弱の重要性に少しずつ気づき始めたんです。
それからリズムと強弱について専門書も読み込み、普段から意識して練習するようになってから、今では生の英語もかなり聞き取れるようになったし、発音もぐっと自然になりました。
そんな経験をもとに、英語のリズムと強弱についてわかりやすく解説していきます。
英語の強弱のリズムとは?
英語には特有のリズムと強弱があります。そんなものか、まずは下の音声をきいてみてください。
どでしょうか?
My friend from middle school is visiting, so we’re going to have dinner on Saturday.
と発音されてたんですが、
my FRIEND from MIDDLE SCHOOL is VISITING, so we’re GOING to have DINNER on SATURDAY.
こんな感じで、大文字の単語の、特に赤い部分が強く発音されて、他の部分は弱く発音されていますよね。
これが、英語のリズムと強弱です。
どの言語にも特有のリズムや強弱=「プロソディ」がある
こういった「リズムや強弱などの言葉のメロディ」を「プロソディ」って言うんですが、このプロソディ、英語以外のどんな言語にもあります。もちろん、日本語にも。
そう、日本語には日本語特有のプロソディ(リズム)があるんです。
プロソディはその言語の土台ともいえる大切な要素でして、赤ちゃんが言葉を覚えるときはまずこのプロソディから覚えると言われています。
英語と日本語はプロソディが全然ちがう
それほどめちゃくちゃ重要なプロソディですが、なんとなくお察しの通り、英語と日本語ではまったく違うわけです。
にもかかわらず、たぶんほとんどの方が(僕もそうでした)この事実を知らずに英語を話したり、聞こうとしてしまうんですよね。
その結果どうなるか。全然伝わらないし、聞き取れないんです。
「英語のリズム」と「日本語のリズム」の違いとは?
では、この英語のリズム、日本語のリズムとなにがどう違うのか。
1つ決定的に違うのが、「リズムを生んでいる要素」です。
- 日本語=音節(※)リズム
- 英語=強弱リズム
※正確には「音節」ではなく「拍(モーラ)」リズムでして、音節とはちょっと違うのですが、単純化するためにここでは音節としています。
日本語のリズム=「音節」がベース
上の画像のように、日本語では「音節」が一定のリズムを刻んでいます。
「音節」とは、「子音」と「母音」がセットになったもの、もしくは「母音単体」のことです。
日本語の場合は、「ん」など一部を除いて「1つのカナ=1音節」となります。
日本語は、この音節と音節、つまり一文字一文字の間隔が一定のリズムになってまして、どこかの音節を強調して長く伸ばしたり、逆に短く速く発音して詰め込んだりすることもありません。
「タタタタタタ・・・」みたいな、すごく単調なリズムですね。
英語のリズム=「強弱」がベース
一方の英語は、強くハッキリと発音する部分と、弱く流すように発音する部分が、一定のリズムを刻みながら連続します。
そして、この「強弱」を作る「音節の数」はバラバラです。
上の例では1つの強弱のかたまりの中にちょうど2つずつの音節がありますが、これが3つだったり、4つだったりと、決まりがありません。
さらに「音節の長さ」もバラバラで、どこかを伸ばして発音することもあれば、短く発音することもあります。
とにかく強弱のリズムだけ保てればいいわけです。
「ターンターン・・・」といったリズムです。
日本語と英語のリズムの違いを比較
では、英語のリズムと日本語のリズムを改めて比べてみます。
たとえば、「Nice to meet you.」を、英語のリズムと、日本語のリズムで発音すると、こんな感じ。
ちょっと極端なカタカナ英語ですが、このくらい違うんです。
パッと見ただけでも、日本語のリズムで発音するといろいろヤバそうですよね…。
リスニングに関して言えば、僕ら日本人は「タタタタ」と1つ1つの音節が一定のリズムを刻むと無意識に期待しながら聞いてしまいます。
ですが、実際は「ターン」という強弱の中に、複数の音節が詰め込まれて(しかもつながったりする)いるもんですから、”あっという間に”耳を通り抜けて、速く感じてしまうんです。
そしてさらに追い討ちをかけるように、弱の部分の音節は音が弱くなったり、消えたりします。
「タタ・・・」と続くと思いきや「ター」だし、そのあとはまた「タ」がくると思ってるのに、「ン」がくる。そりゃあもうパニックです。
ちょっとわかりづらい説明になってしまったかもですが、とにかく日本語のリズムのままだと、発音にもリスニングにも大きな支障が出ることが想像できるはず。
英語の強弱のリズムを知らないとどうなる…?【2つの問題】
さっきお伝えしたとおり、英語と日本語のリズムは全然違います。
そしてその違いを知らないと、発音はもちろん、リスニングにも大きな問題が出てしまう。
では具体的にどんな問題が起こるのか、簡単にまとめておきますね。
これからまとめる問題に身に覚えがあるなら、逆にそれは英語のリズムと強弱を身につけることで解決できる可能性が高いです。
英語はリズムに乗らないと速くて聞き取れない(ついていけない)
リスニングをしていて
「英語が速くて全然追いつけない、聞き取れない!」
って感じたことありません?ネイティブの生の英語なんて特に。
はじめは絶対聞き取れるようになる気がしないですよね。
実はこの大きな原因が、「英語のリズムと強弱に合わせて聞けていないこと」だったります。
英語ネイティブが早口なわけじゃないんです(もちろん早口な人もいますが)。
【経験談】英語が聞き取れない原因は3つある【耳が悪いからじゃない】
英語リスニングは「音」じゃなく「リズムと強弱」を聞くことが大切
英語のリズムと強弱に合わせて聞かないと、音においていかれてしまって、うまく聞き取れません。
なぜなら、英語は一定のリズムに合わせて「意味的に重要な単語」だけを強く発音し、他の単語は弱く流すように発音するからです。
つまり極端な話、英語は強調されている部分だけ聞き取れれば、あとは聞き取ろうとしなくてもいいんですよ。
この強弱のリズムに乗って英語を聞けないと、本来意識して聞き取る必要のない「弱」の部分まで無意識に聞こうとしてしまって、その結果、すごく速く感じて追いつけないんです。
逆に、英語のリズムと強弱が身につけば、「強」だけを無意識に拾って聞けるようになるので、圧倒的にリスニングが簡単になります。
英語のリズムに乗れば「音の変化」も聞き取りやすくなる
同じリスニングの悩みとして、「単語の音が繋がったり、消えたりして聞き取れない」っていうこともありますよね。
実はそういった英語の「音の変化」も、リズムと強弱を身につければ一気に聞き取りやすくなります。
なぜなら、そういった英語の音の変化は、強弱の「弱」の部分で起こりやすいから。
つまり、リズムが身につくと「弱」を気にせずに聞き取れるようになる=音の変化に振り回されなくなるってことです。
英語の音声変化6パターンと聞き取る方法まとめ【音声具体例つき】
英語のリズムと強弱に乗って話さないと伝わらない
英語のリズムと強弱を身につけていないと、当然、スピーキングにも影響が出てきます。
…伝わらないです。笑
はじめにも言ったとおり、リズムと強弱=プロソディはその言葉の土台部分なので、これが歪んでいると全部台無しなんですよね。
リズムに乗って話さないと、どんなに「r」とか「l」とか音単体の発音が綺麗でもうまく伝わらないし、英語っぽくもなりません。
逆に言えば、リズムと強弱さえしっかり英語の特徴を捉えていれば、細かい発音が多少カタカナっぽくてもかなり自然に聞こえやすいし、その方が相手にも伝わります。
留学経験者と海外旅行に行った時の話
たとえば、昔僕が海外旅行に行ったときの話。
一緒に行ったメンバーの中にオーストラリアへの短期留学経験者がいたんですが、彼は発音がカタカナっぽいのにも関わらず、バスとかで現地のネイティブと普通にコミュニケーションが取れてたんですよね。
一方の僕は、発音がなかなか伝わらず、露店でコーヒーを注文することすらもたついてしまった。
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当時は英語に興味をもち始めた頃で、基礎が重要かと思って発音もかじって、少し意識してたのに、です。
今考えるとあの原因がまさに「リズムと強弱」でして、留学経験のある彼の英語の方が、僕の発音意識した風の英語よりも、明らかに自然なリズム(プロソディ)だったんですよね。
彼は「英語のノリで話すことが大切」と言ってて、そのときはふざけてるのかなと思ってたんですが、今思えばこのノリっていうのが、リズムや強弱のことだったのかなと思います。
英語のリズムに乗ると発音が流暢になる
英語のリズムと強弱を身につけて発音できるようになると、流暢さも格段にUPします。
英語の発音に慣れてない頃はどうしても口が回らないというか、スムーズに発音できないですよね。あのもどかしさというか、ストレスが一気になくなります。
そして、ストレスなく発音できる&スピードをつけて発音できるようになる結果、新しい英語フレーズや表現を簡単に覚えられるようになります。
僕自身、リズムの感覚をうまく掴めるようになってからものすごく発音しやすくなって、口が回らないこともなくなりました。
ここで一旦、英語のリズムと強弱を身につけることの大切さをまとめておきますね。
- 速いと感じていた英語がぐっと聞き取りやすくなる
- 英語の細かい音の変化にとらわれずにリスニングができるようになる
- 発音が伝わりやすくなる
- 発音が流暢になり、フレーズや表現をストレスなく覚えられる
個人的に、発音練習は「l」や「r」などの細かい音をよりも、リズムと強弱などプロソディから身につけることを強くおすすめします。
なによりその方が簡単だし、英語としても自然になりやすいし、発音全体としての上達も確実に早いはず。
英語のリズムと強弱の3原則
英語のリズムと強弱の重要性は、なんとなくわかっていただけたかなと思います。
このあとは練習法をご紹介したいんですが、その前にまず、英語のリズムと強弱の原則を3つだけ、実際の例文をもとに簡単にまとめておきますね。
- 「内容語」=「強」、「機能語」=「弱」
- 「強」と「強」の間は時間的に同じ間隔
- 「弱」では音が変わる
解説のために使用する例文は一番はじめにもあげた、下の英語です。
ただし、いつも原則どおりとは限りません
これから紹介する原則は決して「ルール」ではありません。あくまでも、「こんな傾向が強いよ」ということ。
なので、例外はいくらでもあるし、別に覚えなくても大丈夫です。
「へー」くらいの感覚で読んでいただけたらと思います。
これから強弱のリズムを練習する際は、決まった原則に基づいて練習するのではなく、お手本(ネイティブ)を忠実にマネするために、原則の知識をうまく活用するようにしましょう。
発音練習すべてに共通して大切なのが、とにかく、マネです。
そうやってたくさんの英文で練習していくと、原則なんて意識しなくても、自然と英語のリズムと強弱で発音できるようになります。
今は難しくても、続けていくと感覚でわかるようになるので安心してください!
英語のリズムと強弱の原則①:「内容語」=「強」、「機能語」=「弱」
英語の強弱は、「強」=「内容語」、「弱」=機能語が基本。
「内容語」と「機能語」とはそれぞれ、
- 内容語=文の意味を表すために重要な単語=名詞、動詞、形容詞など
- 機能語=文構造、文法上必要になる単語=前置詞、接続詞、冠詞など
です。
- friend(名詞)
- middle school(名詞)
- visiting(動詞)
- going(動詞)
- have(動詞)
- dinner(名詞)
- Saturday(名詞)
- my(人称代名詞)
- from(前置詞)
- is(be動詞)
- so(接続詞)
- we(人称代名詞)
- are(be動詞)
- to(前置詞)
- on(前置詞)
英語では、意味を表すために重要だから「内容語」を強調して、一方の「機能語」は重要じゃないから、弱く流すように発音するってことですね。
英語のリズムと強弱の原則②:「強」と「強」の間は時間的に同じ間隔
強弱のリズムの中の「強」と「強」の間は、時間的に同じ間隔になる傾向が強いです。上の画像のような感じ。
ただし、常に「強弱」が綺麗に交互にくりかえされるわけではない(「強」が連続したり、「強弱弱強」と「弱」が多く挟まったりもする)ため、強と強の間に弱が多く挟まってるほど、その弱は速く発音される=音の変化が激しくなります。
英語のリズムと強弱の原則③:「弱」の部分では音が変わる
「弱」は弱く、速く発音されるため、もともとの発音が大きく変わってしまうことが多いです。
「機能語」は「弱形」へ
たとえば、下にまとめている「機能語」は、弱く発音されると、もともとの発音から大きく崩れて発音される傾向があります(この弱く変化した発音を弱形と言ったりします)。
- to:トゥ⇨タ(弱)
- his:ヒズ⇨イズ(弱)
- can:キャン⇨クン(弱)
- and:エァンド⇨ン(弱)
- who:フー⇨ウ(弱)
リスニング中に「his」とか「at」とかがどう頑張っても聞き取れなくて、「え、やっぱりもう大人だから無理…?」とショックを受けたことがあるのは、僕だけじゃないはず。(笑)
あれは耳が悪くて聞き取れないのではなく、そもそも音が消えちゃってるから聞き取れないんです。
ちなみに、「I am」が「I’m」になったり、「Let us」が「Let’s」になるのも、実はこの「弱形」です。
強調されない母音は「あいまい母音」へ
また、「弱」の部分の母音の発音は「あいまい母音(シュワ)」に変化します。
強調する部分以外の母音は適当に発音するってことです。
この「弱」の部分の母音もしっかり発音すると、日本語なまりの変な英語になるので要注意。
英語のリズムと強弱の身につけ方【3ステップの練習法】
最後に、実際に英語のリズムと強弱を身につけるための練習法を紹介します。
全体の流れは下のとおり。
- ステップ1:音声を聞いて「リズムと強弱」をチェック
- ステップ2:リズムと強弱を意識して音読
- ステップ3:仕上げにシャドーイング
ステップ1:音声を聞いて「リズムと強弱をチェック」
まずはスクリプト(台本)つきの英語音声を用意して、リズムと強弱を意識して聞いてみてください。
使う英語音声はなんでもOKですが、これから練習をはじめたい方は
- 英会話でよく使われるフレーズ集
- 会話のダイヤログ
- スピーチ
などがオススメ。
会話で使う英文で練習すればそのまま英会話力もUPしますし、スピーチなんかは比較的ゆっくり、ハッキリ発音するので、リズムを意識して練習しやすいです。
リズムと強弱を聞くときは、必要であれば、強調されている箇所などにチェックしておくといいかもしれません。
ステップ2:リズムと強弱を意識して音読
次に、チェックしたリズム&強弱を元に、自分でもお手本をマネして発音練習します。
コツは、
- 最初は大袈裟なくらい強弱をつける
- 速く発音する部分とゆっくり発音する部分で緩急をつける
- 一定のリズムを刻むように体も一緒に動かす
の3つです。
また、このときは「母音」や「子音」など、細かい音のクオリティは気にしなくてOK。すでにお伝えしたとおり、土台=プロソディの方が大切だからです。
あくまでも、リズムと強弱をお手本どおりにマネすることを優先させてください。
そして、自分の発音はできれば録音して聞いてみることをおすすめします。
その方が自分の発音とお手本との違いが客観的にわかりやすい=悪いところを改善しやすいので、圧倒的に上達が早いです。
僕のiPhoneのボイスメモは英語発音の録音ファイルだらけです。(笑)
はじめて聞くと気持ち悪いしヘタで落ち込みますが、それほど伸びしろがあるってこと。みんなそこからスタートなので、がんばりましょう!
ステップ3:仕上げにシャドーイング
最後はできれば、シャドーイングもしておくとベスト。
シャドーイングというのは、お手本の少しあとを追いかけるように発音する練習法です。
英語シャドーイングを6ヵ月やった効果がヤバかった【やり方も解説】
スクリプトを見ずに音声を聞いて、練習したリズムと強弱の感覚を意識しながら、マネして発音してください。片耳にイヤホンをつけるとやりやすいと思います。
こうやっってシャドーイングすることで、よりリズムや強弱といった音の特徴をマネしやすくなります。
そして、シャドーイングがスムーズにできれば、その英語のリズムと強弱はある程度マスターしていることになるので、最後の微調整&最終チェックとしてチャレンジするのがおすすめ。
補足:わざわざリズムと強弱だけに特化した練習をする必要はない
今回はリズムと強弱の練習ステップという形でまとめてますが、実際には、リズムと強弱だけを身につけるための特別な練習は必要ありません。
そうではなく、普段の音読とか、フレーズ暗記とか、シャドーイングとか、そういう勉強をする際に、意識的にリズムと強弱をチェックする癖をつけることが大切です。
まとめ:英語のリズムと強弱は超重要!普段から少しずつ意識していこう。
最後に、今回の記事の内容をまとめておきます。
- 言葉にはリズムや強弱といった特有のプロソディがある
- 日本語と英語のプロソディは全然違う
- 日本人は日本語のプロソディが体に染み込んだまま英語を話したり聞いたりしてしまう
- その結果、伝わらないし、聞き取れなかったりする
- だから英語のリズムと強弱を覚えることが重要
- リズムと強弱を身につけるには普段から意識してネイティブのマネをすることが大切
英語のリズムと強弱は、日本語とかけ離れている分、習得に時間がかかります。
練習を始めても、すぐにはうまくできません。
僕がリズムと強弱の重要性を実感したのは普段の学習にシャドーイングを取り入れるようになってからでしたが、たしかな上達を実感したのは、シャドーイングをはじめて1年くらい経ってからです。
なので、数ヶ月程度じゃあ、実感できるほどの上達はしないかもしれません。
でも、英語ってそれが普通、そんなもんですよ。
気づいてないところでちゃんと前には進んでるので、焦らずコツコツと頑張っていきましょう!
じゃあ、ながーい英語学習、がんばりましょうね!