英語で「発音できない音は聞き取れない」本当の理由を知っているか

 

 「自分が発音できない音は聞き取れない!」

そこそこまじめに英語学習に取り組んでいる方は、上の文句を一度は聞いたことがあると思います。

自分が発音できない音は”雑音”として処理されるので、いくら聞いても脳に届かない。

なんていう根拠に基づいているみたいですが、果たして本当にそうなんでしょうか?そしてこの文句には否定派も多く、そんなのまったくウソだという意見もあります。

どうしてこんなに意見が割れてしまうのか。実は、この文句は半分正しくて半分間違っています。というか、リスニングと発音の関係について、まともな議論とは思えません。

なので、どちらの意見もそのまま鵜呑みにするのは少し危険です。

今回は、発音できない音は聞き取れないという文句の真相について、わかりやすく説明していきたいと思います。

ちょっと長いので、最後のまとめだけでも読んでいただければ少しでも参考になるはずです。

 

英語は発音だけで聞き取っているわけではない

 発音ができないと英語は聞き取れない、発音ができなくても英語は聞き取れる。

この両極端な意見の真相をお伝えする前に、まずはリスニングと発音の関係性について説明したいと思います。これを知らずにどちらかの意見を鵜呑みにしてしまうのは危険だからです。

そこでまずお伝えしたいのが、発音は、リスニングに重要な数ある要素のうちの1つに過ぎないというです。

なので、発音ができなければ英語が聞き取れないと言い切るのはおかしいですし、だからと言って発音を軽視しても聞き取りは伸び悩みます。

リスニングは、何か1つのスキルがあればできるようになるほど単純なものじゃありません。

にもかかわらず、発音ができなきゃ聞き取れない、音のつながりをマスターしなきゃ聞き取れない、周波数がなんとか、という何か1つにこだわった議論はまったく無意味なんですね。(ちなみに周波数に関しては100%無視してOKです)

 

自分が発音できない音でも聞き取れる

 発音は、英語を聞き取るための重要な要素の1つに過ぎないとお伝えしました。

その証拠に、まずは自分で発音ができない英語も聞き取れるという体験をしてもらおうと思います。

下の英語音声を聞いてみてください。

 

きっとほとんどの方は聞き取れたと思います。

[su_note note_color=”#f8fbfe” radius=”0″]

I’m twenty three years old.

[/su_note]

ですよね。

では、あなたはこの文を正しく発音できますか?「th」や「r」、「l」など、日本人が苦手な発音が盛りだくさんです。

発音に少しでも苦手意識がある方なら、

[su_note note_color=”#f8fbfe” radius=”0″]

アイムトゥエンティースリーイヤーズオールド

[/su_note]

とカタカナ英語で読むと思います。言うまでもありませんが、これでは発音ができているとは到底言えません。

これでもうわかると思いますが、自分が発音できない音だって聞き取ることはできます。正確に言えば、自分が発音できない単語だって聞き取ることはできるんです。

では、どうして発音ができなくても聞き取れたんでしょうか。

 

聞いた音は自分の知っている単語に置き換えられる

まず、はじめに聞いた英語音声を思い出してみてください。

[su_note note_color=”#f8fbfe” radius=”0″]

I’m twenty three years old.

[/su_note]

でしたよね。

この文、例えば「old」なんて単語は、発音の勉強をしたことがない方はほとんどまともに発音できません。ですが、「〇〇years old」という表現は誰でも知っているはずです。

そうなれば、仮に「old」の発音ができず、単体では聞き取れなくても、「23 years」さえ聞き取れば、後は「オー」と聞こえただけでそれが「old」だとわかるんですね。しかも、そうとしか聞こえません。

これは英語に限った話ではありません。

音を聞き取るときは、聞き取った音を、文脈や背景知識、発音の知識などから、自分が知っている音の中で一番妥当だと思われるものに無意識に置き換えているんです。

なので、自分では発音ができなくても、単語の発音自体を知っていたり、文脈や背景知識があれば単語は聞き取れます。

ちなみに、こう言った予備知識がまったくないとどうなるのかというと、

下の動画を見てみてください。(※途中から下ネタが連発するので、苦手な方は最初の30秒までを見てください。)

 

単語の発音をまったく知らなかったり、このようにかなり聞き取りづらかったりすると、もはや同じ英語の音として置き換えることができません。

その結果、私たちに一番馴染みがある日本語のように聞こえてしまうんですね。

この例は英語自体が聞き取りづらいのでちょっと極端でしたが、文中に発音を知らない単語が出てくると、こんな事態になります。

 

最低限正しい発音を”知っている”ことは必要

聞いた音は、自分が知っている音の中で一番妥当なものに置き換えられるとお伝えしました。

ということは、最低限知っている英語の音がなければ、上のマイケルジャクソンの例のように見当違いの音に置き換えてしまうことになります。

下の音声を聞いてみてください。

 

聞き取れましたか?

もしあなたが英語の発音をほとんど知らなければ、「リロー」と聞こえると思います。これは日本語の音です。

また、ちょっと英語を勉強している方なら、「letter」と聞こえたかもしれません。

どちらの場合も、自分が知っている音の中で一番妥当な音に置き換えています。では正解はというと、「little」です。

この単語自体はほとんどの方が知っていると思います。ですが、「リトル」というようにカタカナ読みで覚えていると当然聞き取れません。

このように正しい発音を知らないと、知っている単語でも聞き取れません。こういった単語が多くなれば、文脈や背景知識から正しい単語を判断することも難しくなります。

これは、日本人が英語のリスニングで最初に躓くポイントです。正しい英語の発音を知らないんですね。

日本人が英語の正しい発音を知らない主な原因は、

[su_note note_color=”#f8fbfe” radius=”0″]
  • 「ウォーター」、「ボトル」など、単語をカタカナ英語で覚えてしまっている
  • 日本語と同じように、子音と母音がセットで発音されると思い込んでいる(want→×wanto)
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の2つです。

こうして単語の発音を間違って覚えているうちは、リスニングで英語を聞き取れるようにはなりません。

なので、正しい発音ができるかどうかは別として、最低限正しい発音を知る努力は必要です。

まずは中学レベルのCD付き単語帳などで、基本単語の正しい発音を確認していきましょう。それが面倒であれば、リスニングトレーニングでスクリプトを確認した時に、少しずつ覚えていくのもアリです。

 

「自分が発音できない音は聞き取れない」本当の理由

 自分で発音できない音は聞き取れないというのは言い過ぎです。

かといって、まったくのウソかというとそうではありません。

自分で発音ができないと聞き取りが困難なもの、それは、

[su_note note_color=”#f8fbfe” radius=”0″]
  • 日本人にとって区別のつかない音
  • 英語を文として発音したときの音
[/su_note]

です。

これらの発音は、自分でもできないとリスニングは伸び悩みます。これが「自分で発音できないと聞き取れない」本当の理由です。

それぞれ説明していきますね。

 

聞いて区別がつかない音は発音できる必要がある

英語には、日本人にとって非常に区別しづらい音があります。よく言われているのは「r」と「l」ですね。

では問題です。下の音声は、「load」と「road」どっちでしょうか?

 

これを自信を持って聞き取れたなら、あなたは「r」と「l」の発音をしっかり理解できていることになります。

正解は「road」です。

こういった区別の難しい音を耳だけで聞き取るのは至難の業です。余程耳が良くない限り、自身を持って区別することはできないでしょう。

この場合は、自分でも「r」と「l」の発音ができるようになると、一気に聞き分けやすくなります。

ここで言う発音ができるとは、正しい口の形で、音を出すことができるということです。必ずしもネイティブ並みの完璧な発音ができるということではありません。

いくら似たような音でも、発音の仕方は全然違います。なので、実際に自分でやってみることで、どうしてそんな音になるのか、違いは何なのかがわかりやすくなるんですね。

ただし、もちろんこれらの単語も、発音ができなければ100%聞き取れないわけではありません。区別のしづらい音を聞き取るためには、発音をしっかり学んだ方が圧倒的に有利だということです。

 

文としての発音は自分でもできないと中々聞き取れない

英語は単語1つ1つの音を聞き取ることよりも、文としての発音を聞き取ることの方が重要です。

なぜなら文として発音されると、リズムや強弱が生まれて単語の発音も変わるからです。ネイティブの英語はこういった英語特有の話し方を習得しなければ聞き取ることは困難です。

英語にはどんなリズムがあるのか、発音はどう変わるのかをいくら理屈で理解したところで、多様な音の変化に対応できないんですね。

また、人間が言葉を聞き取ったときは、その言葉を頭の中で無意識に発音し、聞いた音と照合させることで理解しているという実験データもあります。

こういった理由から、英語のリズムや強弱、そこから生まれる音の変化などを自分でも意識して発音できないと、リスニングは確実に伸び悩みます。

 

英語特有の話し方を身につけるための練習が「シャドーイング」

英語特有の話し方を身につけるために有効なのがシャドーイングです。

シャドーングとは、聞いた英語にちょっとだけ遅れて、音声をそっくり真似して発音するトレーニングです。これによって、英語特有の話し方を体に染み込ませるんですね。

ただし、シャドーイングをする時は発音を学んでからにしてください。できなくてもいいですから、最低限母音と子音発音の仕方を知らないと、間違った発音をひたすら練習するハメになります。

母音と子音の発音の仕方を知った上で、その発音が文として自然にできるように練習するのがシャドーイングです。はじめのうちは自分の発音を録音してみて、音声と聞き比べてみるといいと思います。

 

まとめ

 「自分が発音できない音は聞き取れない」この文句の真相について、リスニングと発音の関係を踏まえた上でまとめると、

[su_note note_color=”#fff” radius=”0″]
  • 発音は英語を聞き取るための重要な要素の1つに過ぎない
  • 英語を聞き取るには、最低限発音を”知っている”ことは必要
  • 発音を知らなくても、文脈や背景知識があれば聞き取れることがある
  • 耳で音の区別がつかない発音は、自分で発音することによって聞き分けがしやすくなる
  • 英語を聞き取るときは、単語の発音よりも文としての発音が重要
  • 文としての発音は、自分でも発音して身につけないと聞き取りは難しい
[/su_note]

の6つがポイントになります。

そして、リスニングのために発音を学ぶのに一番理想的なのは、

[su_note note_color=”#f8fbfe” radius=”0″]
  • 母音と子音の発音の仕方を学ぶ
  • 基本単語の正しい発音を覚えていく
  • シャドーイングで文の発音(リズム・強弱・音の変化)を身につける
[/su_note]

という流れです。

なんでもそうですが、何かを決めつけるような意見は素直に鵜呑みにしないことをおすすめします。英語学習においてはなおさらです。

どんな学習法、理論でも、必ずどうして効果的なのか、そしてどんな目的があるのかをしっかりと調べてから取り組んでくださいね。

そういった情報を得るためにも、少しでもこのブログがお役に立てればなと思っています。

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