英会話上達のためにTOEICの勉強をするのは「時間のムダ」

「英会話を身につけるために、まずはTOEICの勉強からはじめた方がいいのか?」

こんな疑問を持っている方、多いと思います。

世間では、「TOEIC高得点=英語ができる=英語が話せる」というイメージがあるからでしょう。

私は基本的な日常会話ができるようになってから、興味本位で一度だけTOEICを受けたことがあります。

TOEIC score

微妙な点数でしたが、こうしてTOEICを受けてみてわかったことがありました。

英会話を上達させるためにTOEICの勉強をはじめるのはまったく”時間のムダ”だということです。

今回はその理由について、詳しく説明していきます。

※ここでのTOEICは「TOEIC Listening&Reading Test」を指します。

TOEICの点数と英会話力はまったく無関係

一般的にTOEICで高得点があると「英語ペラペラ」なイメージがあるかもしれません。だからこそ、英会話のためにTOEICの勉強をはじめようとする方がいるんだと思います。

ですが、実はTOEICの点数は英会話のレベルとはまったく関係がありません。これを裏付けた実証データもあるくらいです。

なぜかというと、そもそもTOEICはリーディング力とリスニング力を計るためのテストであり、英会話に必要なスピーキング力がなくても点数が取れてしまうからです。

極端な話、旅行先のレストランでまともに注文すらできない人でも、TOEICでは満点を取ることができてしまうんですね。現に、TOEIC900点以上でも会話がまったくできない人はたくさんいます。

逆に、ネイティブと基本的な日常会話ができても、TOEICは600点ほどしかない方もいます。

日本人が英語を話せない理由の1つは、こうして「英文を理解する力」だけ鍛えて、「英語を発信する力」を鍛えていないからです。

学校で6年以上も英語を学んできたのに英語が話せないと嘆く方がいますが、TOEICの勉強は、これと同じ道をたどることになります。TOEICの勉強をして自然と英会話が身につくことはありません。

英会話のためにTOEICの勉強は時間のムダ!3つの理由

単純に英会話を上達させたいなら、TOEICの勉強はまったく時間のムダです。

理由は3つ、

  • TOEIC英語はビジネスシーンが中心&会話とは”かけ離れて”いる
  • 英会話に必要ない単語や表現を大量に覚えるハメになる
  • 英会話には必要ない文法の「知識だけ」を詰め込むことになる
からです。

簡単に言うと、英会話に必要な「簡単な英語を使いこなすトレーニング」をせずに、英会話に必要のない「無駄な知識」ばかり詰め込むのがTOEICの勉強です。

では、TOEICの勉強が時間のムダである理由について、例を挙げながら詳しく説明していきます。

TOEIC英語はビジネスシーンが中心&会話とは”かけ離れて”いる

そもそもTOEIC英語の内容はビジネスシーンが中心です。なので、バリバリビジネス英会話を身につけたい方以外にとっては、「まったく現実味のないシチュエーション」が想定された問題がたくさんあります。

例えば、下の会話を見てみてくだい。TOEICで学べる英会話はこんな感じです。

Thanks for meeting with me to revise the company budget, Georgia.
「会社の予算を見直すために打ち合わせに来てくれてありがとう、Georgia.」

No problem.
「どういたしまして。」

With the increase in rent for office space this year, we’re definitely over budget right now.
「今年は事務所の賃料の上昇に伴って、当社は現時点で間違いなく予算をオーバーしているんだ。」

出典:TOEICテスト公式問題集 新形式対応編

どうでしょうか。この会話、あなたの英会話上達に役立ちそうですか?きっと、「まったく役に立ちそうもない」という方がほとんどでしょう。

また、TOEICの半分は「リーディング」の問題です。そしてリーディングパートの英語は、新聞記事、報告書、メール、広告といった、会話とはかけ離れた英語がほとんどです。

新聞記事や報告書を読んで会話を上達させようなんて、どう考えても非効率ですよね。日本語に置き換えてみるとすぐに想像つくはずです。

「まったく現実味のないシチュエーション」、そして、「会話とはかけ離れた英語」。

そんなTOEICで英会話を身につけようとするのは、フレンチの調味料を勉強して、「肉じゃが」や「みそ汁」を作ろうとするようなものです。完全に、時間のムダです。

英会話には必要ない単語や熟語を大量に覚えるハメになる

英会話とTOEICではそれぞれ必要な単語数が違います。英会話が約2800語だと言われている一方で、TOEICはさらに1200語も多い約4000語です。

英会話・TOEICに必要な単語数出典:NEW GENERAL SERVICE LIST

つまり、英会話を上達させる目的でTOEICの勉強をすると、本来覚える必要もない単語を1000語以上も覚えなくてはいけないんです。

さらに、先にお伝えした通り、TOEIC英語はビジネス寄り、かつ会話とはかけ離れた内容の英語ばかりです。そのため、会話では絶対に使わないような表現や熟語なども大量に覚えるハメになります。

例えば、下の単語や熟語を見てみてください。TOEICではこういった単語が頻出するわけです。

【TOEIC頻出単語・熟語の例】

・cumulative(累積的な)      
・immigration(移民)         
・plausible(もっともらしい)      
・reflect on(~を熟考する)
・succeed to(~を継承する)

もう改めて言うまでもないですよね。

英会話を身につけたいなら、こんな自分が一生使わないかもしれない単語や熟語の暗記は、明らかに時間のムダです。

英会話には必要ない文法の「知識だけ」詰め込むことになる

「まずはTOEICで基礎文法を身につけてから、英会話学習をはじめるのがおすすめ」

なんていうアドバイスを見かけますが、これはまったくの見当違いです。TOEICで必要な文法レベルは「基礎文法」どころじゃありません。英会話にはまず必要ないマニアックなレベルです。

そして、こういったマニアックな文法の「知識」を問われるのがTOEICの問題です。

一方、中学レベルの簡単な文法を、知識としてではなく「自分でも使いこなせるレベル」までもっていくのが英会話です。

ではTOEICに必要な文法がどのレベルなのか、例をあげましょう。

An accomplished skater ——— , Mr. Loewenstein also coaches the world-champion figure skater Sara 

(A) he
(B) him
(C) himself
(D) his

正解:(C) himself

出典:TOEICテスト公式問題集 新形式対応編

これは、実際にTOEICの公式問題集に出題されている問題をそのまま引用したものです。初心者の方は、この問題を見た時点で「うわっ」と思われるでしょう。

この問題の解説も、同じように引用します。

カンマ前の部分では主語と動詞がないので、Mr. Loewensteinという後半と同じ主語とBeingが省略された分詞構文と考えられる。(中略)再帰代名詞の(C) himself「彼自身」が適切。

出典:TOEICテスト公式問題集 新形式対応編

はい、こんな文法知識、英会話にはまったく必要ありません。

私自身、ペラペラではないにしても、ネイティブと基本的な英会話はできます。ですが、この問題の解説は読んでいるだけで頭が痛くなります。何を言っているのかさっぱりです。

TOEICには、上で紹介した例のような問題が平気で出てきます。TOEICの勉強をするということは、こういった問題を数百問解いていくということです。

にもかかわらず、結局これらの文法は「知識」止まりで、いくら問題を解いても自分で使いこなせるようにはなりません。仮に使いこなせるようにするなら、数百時間の学習では済まないと思った方がいいでしょう。

こうして、英会話に必要のないマニアックな文法の知識を、ひたすら詰め込んでいくTOEICの勉強。どう考えても時間のムダです。

英会話上達のカギ~「必要なものを、確実に。」

今回は、英会話を上達させたいならTOEICの勉強は時間のムダだという話をしました。TOEICの勉強をしても英会話は身につかないだけでなく、無駄な知識ばかり詰め込むことになり、遠回りすることになります。

ただ、この記事を通して私が伝えたいことはもう1つあります。

それは、英会話を上達させたいなら、まずは自分に必要な英語を、少しでも、確実に話せるようになることを目指していただきたいということです。

TOEICの勉強に限らず、英会話の学習をはじめようとすると、どうしても文法や単語などの基礎から詰め込もうとする方がたくさんいます。そして、結局話せるようになる前に挫折してしまうんです。

確かに基礎は必要です。ですが、何も基礎を詰め込まないと英語が話せないわけではありません。

「海外旅行に行っても困らない程度の英会話力を身につけたい」と考えているとしたら、まずはレストランで注文ができるようになることを目指したり、ショッピングを楽しむための英会話を身につければいいんです。

こういったシチュエーションでは、文法や単語を詰め込まなくったって、簡単なフレーズを覚えれば話せる英語を増やすことができます。

これから英会話をはじめる方は、いきなり自由に話せるようになることを目指すのではなく、まずはこうして自分に必要な英語、自分が話したい英語を少しずつ学習していってください。

英語はコミュニケーションのためのツールですから、そうやってちょっとでも目的を意識して、「話せる英語」を増やしていくことが英会話上達のカギです。

 

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