英語のリスニング勉強法にディクテーションが効果的ってよく聞くけど、実際どんな効果があるのかな?もし効果あるなら、ついでにやり方も知りたいなー。
こんな方の疑問に詳しくお答えします。
私は2年ほど前からアプリを使ったディクテーションを自分なりのやり方で少しずつ続けていて、確かな効果を実感しています(昔もやったことあるんですが、その時は挫折しました…)。
そんな経験をもとに、今回の記事では
- ディクテーションをする目的
- ディクテーションで感じた効果
- ディクテーションをする時の注意点
- ディクテーションで効果があったやり方
- ディクテーションのデメリット
などをまとめて紹介していきます。
ディクテーションが気になっている方にとっては間違いなく必見の内容なので、是非読んでみてくださいね。
ディクテーションの目的は「聞き取りの弱点」をハッキリさせること
ディクテーションの目的は、簡単に言うと自分の聞き取りの弱点をハッキリさせることです。
聞いた英語を書き取る→書き取れなかった英語は自分が聞き取れない英語→そこが弱点
ということですね。
弱点がわかれば、あとはそこをピンポイントで聞き取れるようにすることで、効率的にリスニング力をUPさせることができます。
逆に言えば、そもそも弱点だらけの初心者の方にとっては、特別必要な勉強法ではありません。
「英語はある程度聞き取れるようになったけど、所々自信がない時がある」
くらいの、どちらかと言えば中級者向けの勉強法ですね。
初心者のうちからディクテーションをしてももちろん効果ありますが、その場合は、使う英語を中学1年レベルにすることをおすすめします。
ディクテーションの効果【2つ】
ディクテーションによる一番のメリットは、「自分が聞き取れない音がハッキリすること」です。
先ほどお伝えしたとおり、これがディクテーションの目的でもあります。
ただ、ディクテーションをやるメリットはそれだけじゃありません。
ディクテーションには、さらに2つの効果があります。
- 文法力がUPする
- 単純に「英語の聞き取り」が早く上達する
1.文法力がUPする
意外な効果かもしれませんが、ディクテーションをやっていると、文法力が上がります。
英語は音だけじゃどう頑張っても聞き取れないことも多く、そういった部分は文法知識などを活用して推測する必要があるからです。
つまり、ディクテーションで英語を書き取るためには、「音はあいまいだけど、文法を考えると、あの単語だな」とか、そういうことを考えなきゃいけないわけです。
こうして「文法を考える」機会がたくさんできるので、普段は中々意識しないような細かい文法や表現が、自然と身についていきます。
2.単純に「英語の聞き取り」が早く上達する
ディクテーションをやることで、英語の聞き取りが早く上達します。
ディクテーションで最後まで書き取れなかった部分は強く記憶に残るので、次に似たような英語を聞いたときに、ぐっと聞き取りやすくなるからです。
ディクテーションをやるにしてもやらないにしても、英語が聞き取れるようになるためには、「たくさんの英文の文字と音をセットで覚える」というステップは避けられません。
ですが、「英文の文字と音をセットで覚える」って、そう簡単なことではないんですよね。
一度は覚えたはずの英語でも、時間が経つとまた忘れて聞き取れなくなることもよくあります。
その点、ディクテーションによって「弱点」としてしっかり記憶された英語は、忘れづらい=その分早く聞き取りが上達するわけです。
ディクテーションで効果を出すための注意点【3つ】
どんな勉強法も同じですが、ただ闇雲にやっても効果はなくなってしまいます。
ディクテーションで効果を出すための注意点は3つです。
- 自分のレベルに合った英語を使う
- 音だけ聞いて書き取るのではなく、時には推測もする
- 文の途中で音声を止めず、一文ずつ聞き取る
1.自分のレベルに合った英語を使う
ディクテーションで使う英語は、自分のレベルに合ったものにしてください。
というのも、あまり知らない単語や表現が多く使われている英語だと、そもそも英語を聞き取る練習にならず、単語の勉強になってしまうからです。
知らない単語が聞き取れないのは当たり前なので、ディクテーションする意味がないってことですね。
目安としては、読めばスラスラ意味がわかるくらいの英語が理想です。
2.音だけ聞いて書き取るのではなく、時には推測もする
ディクテーションは、音を正確に聞き取れるようにするための勉強法です。
ですがだからと言って、すべての単語を音だけで聞き取ろうとするのはNGです。
なぜなら、英語は「音の変化」が激しい言葉なので、中には耳だけじゃどう頑張っても聞き取れない単語もあるからです。
こういった単語を音だけで聞き取るのは無理なので、文脈や文法知識なども使って推測し、必要であろう単語を書き取るようにしてください。
3.途中で音声を止めず、一文ずつ書き取る
ディクテーションをするときは、文の途中で音声を止めずに、一文を何度もリピートして書き取ってください。
英語は、文として発音されると音がつながったり消えたりして変わってしまうので、音声を途中で止めると確実にわけがわからなくなります。
ディクテーションのやり方【5ステップ】
では、実際に私がやっているディクテーションの具体的なやり方を紹介していきます。
文字だけ書いててもイマイチ想像しづらいと思うので、ディクテーション用に英文を1つ用意しました。
この音声を使って、具体的に説明していきます。
下の5つのステップで、ディクテーションにチャレンジしてみてください。
- まずは内容を意識して聞いてみる
- 「これ以上聞き取れない」と感じるまで聞き込み、聞き取れた単語を書いていく
- 文字を確認して、書き取れなかった英語を確認する
- 英文を「英語の語順のまま」読めるようにする
- 英文の発音を丸ごと覚える
+α:定期的に聞き直して、復習する
また、別記事でディクテーションにおすすめのアプリもまとめてますので、そちらも合わせて参考にしてみてくださいね。

1.まずは内容を意識して聞いてみる
まずは、内容を意識して聞いてみてください。多くても3回くらいが良いかなと思います。
このステップでは、まだ書き取る必要はありません。
先にサラッとでも内容を確認しておくことで、
- その英文が自分のレベルに合っているか確認できる
- 次のステップで英語を書き取るときに、「音」に集中しやすくなる
- 英文の細かい部分を推測する準備ができる
といったメリットがあります。
ここで英文を聞いてみてもまったくわけがわからない場合は、ディクテーションをする英語のレベルを下げてください。
もしくは、ディクテーションをするにはまだ早いかもしれません。
今回は例が1つしかないので仕方ないですが…。
2.「これ以上聞き取れない」と感じるまで聞き込み、聞き取れた単語を書いていく
次は、英語を聞いて、聞き取れた単語を書き取っていきます。
スペルがわからなければ、適当に書くか、カタカナでもOKです。
途中で音声を止めずに丸々一文を繰り返し聞いて、聞き取れた単語からどんどん書いていってください。
「これ以上聞き取れないな」と感じるまで聞きましょう。5~10回くらいになると思います。
また、「音」だけに頼って書き取ろうとせず、文法や表現の知識などもフル活用して推測し、できるだけすべての単語を書き取ってみてください。
ヒント①:11単語です
ヒント②:「植えること」という動名詞(動詞+ing)があります
3.文字を確認して、書き取れなかった英語を確認する
限界まで聞いたら、英文を文字で確認します。
正解は、
What do you think about planting new trees in the backyard?
「裏庭に新しい木を植えるのってどう思う?」
です。
聞き取れましたか?
8、9単語くらいは正確に書き取れていることが理想ですね。
こうして文字を確認してみると、書き取れなかった原因に対して、色んな「気づき」があると思います。
例えば、
- そもそも知らない単語だった
→「plant(植える)」や「backyard(裏庭)」を知らなかった - 知ってる単語だったけど、思っていた発音と違った
→「tree」の発音が「ツリー」だと思ってた - 音が変わっていて聞き取れなかった
→「ティンカバゥ」が「think about」だと気づけなった - 文法知識が足りなくて、よく聞こえない音を補えなかった
→「裏庭で」という場所を表すために「in」が必要なことに気づけず、聞き取れなかった※ - スピードが速すぎて追いつけなかった
→そのまま
※この場合の「in」は、音だけに頼って聞き取るのはほぼ無理です。こういう部分は、推測して書き取る必要があります。
などがあるかもしれません。
ここで、自分が書き取れなかった英語に対して「そうだったのか!」と思えればしめたものです。
4.英文を「英語の語順のまま」読めるようする
書き取れなかった部分を確認したら、まず英文を「語順のまま」読めるようにしてください。
What do you think about(あなたはどう思う?)/.planting new trees(新しい木を植えることを)/ in the backyard(裏庭に)?
といった感じで、前から「意味のわかるかたまりごと」に訳せたらOKです。
ディクテーションに限らずなんですが、英語を聞き取れるようにするには、その内容も理解できるようにならないと意味がありません。
そして、リスニングで内容を理解するためには、語順のまま訳すことが絶対に必要なんですよね。
ただ実際は、ディクテーションをはじめるなら、この程度の英文を語順通りにスラスラ訳せるようになってからの方がいいと思います。
5.英文の発音を丸ごと覚える
最後は、聞いた英文の発音を丸ごと覚えます。
What do you think about planting new trees in the backyard?
音声を聞きながら英文を目で追って、何度も繰り返し聞いてください。
音声をそっくり真似して自分でも音読すると記憶に残りやすくなるのでさらに効果的ですが、余裕があればで大丈夫です。
最終的に、英文の文字を見なくてもすべての単語が聞き取れて、意味もすんなり理解できるようになっていればOKです。
次はまた新しい英文にチャレンジしてみてください。
+α:定期的に聞き直して、復習する
ディクテーションをして完全に聞き取れるようになった英文は、日を空けて定期的に聞き直してみることをおすすめします。
いくら記憶に残りやすいとはいえ、どんな英文でも一度で完璧に聞き取れるようになることは難しいからです。
結局、「英語が聞き取れるようになること」=「音を記憶すること」ですからね。
何度も復習して聞き直すことで音が記憶に定着して、確実に聞き取れるようになります。
ディクテーションのデメリットは「めんどくさい」こと
ディクテーションは確かに効果的なリスニング勉強法なんですが、とにかく「めんどくさい」のがデメリットです。
まず自分に合った絶妙な英語の素材を探すのがめんどくさいですし、何より、聞いた音を「書き取る」とか正直やってられないです。(笑)
なのでもしディクテーションをやるなら、私が使ってるスタディサプリENGLISHなど、楽しくて続けやすいアプリを強くおすすめします。
自分に合ったレベルからスタートできるという点でも、とてもおすすめです。
というか、ある程度の上級者でもない限り、その労力と時間を考えると、普通に「紙に書き取る」ディクテーションはやらなくていいです。
まず間違いなく挫折しますし、ディクテーションをやらないと英語が聞き取れるようにならないとか、そういうことはありませんので。
まとめ:ディクテーションは効果あるけど、必ずしも必要ではない
これだけディクテーションについて語っておいて最後にこんなこと言うと怒られそうですが、ディクテーションは、必ずしも必要な勉強ではないです。
確かに効果はありますし、リスニングを極めたい中級者以上にはとてもおすすめなんですが、やっぱりめんどくさいからです。
なので先にお伝えしたとおり、英語の勉強に慣れていない初心者がディクテーションをやるなら、アプリ一択でいいと思います。
スキマ時間に紙とペンいらずでできるので、続けやすいからです。私もアプリでディクテーションをはじめてから、続けられるようになりました。
英語の勉強すべてに共通して言えることですが、どんなに効果的な勉強法でも、続かないとなんの意味もないですからね。
それでは、あなたの英語学習を全力で応援しています!